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体外受精が妊娠高血圧腎症発症と関連するか?~傾向スコアを用いた検討~

<背景>

体外受精後妊娠において、妊娠高血圧腎症発症リスクが上昇すると報告されているが、実際に両者が関連しているかは不明である。本研究では、体外受精が妊娠高血圧腎症と関連しているか傾向スコアを用いて検討した。

 
<方法>

国立成育医療研究センターにおいて、2009年から2011年にかけて妊娠管理を行い、22週以降に出産した3084名の妊婦を対象とした。対象者の内474名(15.4%)が体外受精後妊娠であった。27の母親および父親由来の変数を用い、多重ロジスティック回帰分析により傾向スコアを算出し、マッチングにより体外受精と妊娠高血圧腎症との関連性を検討した。

 
<結果>

妊娠高血圧腎症は46例(1.5%)に発症し、体外受精後妊娠においてより高い発症率であった (体外受精後妊娠3.2% vs. 非体外受精後妊娠 1.2%)。多重ロジスティック回帰分析による、体外受精後妊娠の妊娠高血圧腎症に対する調整後オッズ比[OR]は2.32 (95%信頼区間[95% CI], 1.08−4.99)であり、体外受精後妊娠において有意に発症リスクが上昇したが、傾向スコアによるマッチング後、有意差は消失した(OR=2.5, 95%CI, 0.49−12.89)。

 

<結論>

傾向スコアによる解析の結果、体外受精と妊娠高血圧腎症との関連は弱まり有意差は消失した。そのため、体外受精と妊娠高血圧腎症の関連は残差交絡による可能性が示唆された。



Watanabe N, Fujiwara T*, Suzuki T, Jwa SC, Taniguchi K, Yamanobe Y, Kozuka K, Sago H. Is in vitro fertilization associated with preeclampsia? A propensity score matched study. BMC Pregnancy and Childbirth. (IF2012=2.516) (in press) *Corresponding author