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藤原武男の研究室

幼児における気質および社会的行動とオキシトシンの関連

背景: 自閉症児などコミュニケーションスキルに障害のある子どもは、オキシトシン濃度が低いことが知られている。しかし子どもの社会的行動とオキシトシン濃度の関係の報告は数少ない。また、子どもの気質とオキシトシン濃度の関連を明らかにした研究もほとんどない。そこで本研究では、子どもの気質及び社会的行動と、オキシトシン濃度との関連を調べた。

方法: 健康な23~48か月の日本人の乳幼児23名(男児13名、女児10名)から尿検体を採取し、オキシトシン濃度を測定した。児の気質と行動の測定には、乳幼児気質尺度(the Toddler Temperament Scale: TTS)と子どもの強さと困難さアンケート(Strengths and Difficulties Questionnaire: SDQ))を用いた。気質及び行動とオキシトシン濃度との関連を解析した。

結果: 児の固執性はオキシトシン濃度と有意な負の関連があり(ピアソン相関係数(r) =-0.52、P=0.01)、共変量を調整後も有意な関連があった(偏相関 =-0.63、P=0.007 )。共変量を調整すると関連は弱まるものの、SDQの下位項目のうち、仲間関係の問題はオキシトシン濃度と負の相関関係があった(r=−0.60, p=0.002)一方、向社会性は正の相関関係があった(r=0.53, p=0.01)。TTSとSDQのその他の下位項目はいずれもオキシトシン濃度と関連はなかった。



結論: 子どもの固執性及び仲間関係の問題は、オキシトシン濃度とは負の相関関係があった一方、社会的行動はオキシトシン濃度と正の相関があった。オキシトシンを介した子どもの気質と行動のメカニズムを明らかにするさらなる研究が求められる。


Fujiwara T, Ochi M and Osawa M. Association of temperament and social behavior with oxytocin levels among toddlers. Paediatr Health. 2014; 2:2. http://dx.doi.org/10.7243/2052-935X-2-2.