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ICD-10コードを使って、虐待による頭部外傷(乳幼児揺さぶられ症候群)の発生率を推定する

近年、社会的に問題となっている子ども虐待ですが、中でも赤ちゃんの頭を激しく揺さぶることで頭の中に出血が起きてしまう乳幼児揺さぶられ症候群は、死亡したり重篤な後遺症を残したりする可能性が高く、社会が全力でその予防に努める必要があります。
では、いったいどれくらいの子どもが乳幼児揺さぶられ症候群になってしまうのでしょうか?
この論文は、2002年から2007年の間にカナダの病院に入院した2歳未満の子どもの乳幼児揺さぶられ症候群の発生率を、ICD-10(国際疾病分類第10版)コードを用いて推定したものです。ICD-10コードとはWHO(世界保健機関)が作成している世界共通の病気のコードのことです。
結果は、診断の定義などで少し幅がありますが、1歳未満の子どもで1年間10万人あたり13.0人から15.5人、1歳以上2歳未満の子どもで1年間10万人あたり2.4人から2.8人となっています。月齢では生後2か月頃がピークとなっています。予防する上で特に注意が必要な時期がわかります。
同様の手法を用いて、日本での乳幼児揺さぶられ症候群の発生率やその分布を調べる研究が待たれるところです。


Fujiwara T, Barr RG, Brant R, Rajabali F, Pike I. Using international classification of diseases, 10th edition, codes to estimate abusive head trauma in children. Am J Prev Med (IF2011=4.044). 2012;43(2):215-20.