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藤原武男の研究室

所得格差及びソーシャルキャピタルは麻疹ワクチンの接種率と関係があるか?

近年、ソーシャルキャピタル(地域の力)が高い地域では、乳児死亡率などの健康指標が良いことがわかってきました。一方で所得格差が大きいと、ソーシャルキャピタルを損ねて地域の健康が悪化するのではないかと考えられています。
この研究では、ソーシャルキャピタルおよび所得格差が、子どもの麻疹ワクチンの接種率と関係があるかどうかを調べました。
所得格差の指標としてGini係数とよばれる指数を、ソーシャルキャピタルの指標として住民の転入率、選挙の投票率、ボランティア活動への参加率を用いました。結果は、全体として、ソーシャルキャピタルが高いほど麻疹ワクチンの接種率が高く、逆に所得格差が大きいほど接種率が低い傾向が見られました。
この研究は相関関係を調べたものであり、ソーシャルキャピタルや所得格差が子どもの予防接種率に影響を与えるかという因果関係まではまだわかりませんが、十分にその可能性はあり、今後のさらなる研究が期待されます。


Nagaoka K, Fujiwara T, Ito J, Do income inequality and social capital associate with measles-containing vaccine coverage rate? A multilevel ecological analysis of a nation-wide sample in Japan. Vaccine(IF2011=3.766). 2012;30(52):7481-7488.