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2歳未満児の保護者が「転落しました」といって病院に連れてきた場合、その説明に信憑性はあるのか?

揺さぶられ症候群は多くの場合、初めに病院を受診した際に「転落した」などの説明がなされることが多いものです。しかし、実際には転落では起こりえないような頭部外傷の所見を呈していることがあります。つまり、本当は揺さぶったりしている可能性がありえます。

そこで、保護者の説明では「転落した」と説明された2歳未満児の頭部外傷症例を集めて、転落の高さと床の性状ごとにどのように所見が異なるか比較しました。

すると、120cm以下の低い高さからの転落の場合に硬膜下血腫が74%あり、120cmより高い高さからの転落では40%しかみられませんでした(p=0.027)。また、痙攣などの神経症状や硬膜下血腫は、じゅうたんや畳に転落した場合の方が、フローリングの床やコンクリートに転落した場合よりも多くみられました。

この結果から、頭部外傷ということで2歳未満児を病院に連れてきた保護者の説明の信憑性は高くないことが示唆されました。

 

Fujiwara T, Nagase H, Okuyama M, Hoshino T, Aoki K, Nagashima T, Nakamura H. Validity of caregivers' reports on head trauma due to falls in young children aged less than 2 years. Clinical Medicine Insights: Pediatrics.2010:4 11-18