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医療機関における子ども虐待データベースの構築:何を調べるべきか?

医療機関において子ども虐待に関するデータ集積は少なく,虐待を発見するために必要な統計的根拠はこれまでほとんど示めされてきませんでした.そこで,国立成育医療センターの虐待対策チーム(SCANチーム)において過去3年間に報告のあった虐待疑い症例(N177)について虐待内容,虐待蓋然性の評価,問診項目,検査項目からなる子ども虐待データベースを後方視的に構築し,虐待蓋然性の高さと虐待寄与因子(虐待が発生することに対する子供,親,家族におけるリスク要因)および虐待発見因子(虐待を発見するための親の説明や検査所見等)の関係について分析しました.

 

虐待寄与因子および虐待発見因子の虐待蓋然性の高い症例に対する特異度が90%以上の問診項目および検査項目が17項目,陽性反応適中率が90%以上の項目が12項目あることがわかりました.オッズ比が有意(p0.05)であった項目は虐待寄与因子の1歳未満,3歳未満,基礎疾患の存在および虐待発見因子の「親の説明と検査所見の矛盾あり」でした.

 

藤原武男、奥山眞紀子、石井徹仁.医療機関における子ども虐待データベースの構築.日本小児科学会雑誌 2006;110(7):926-933.