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非被災地の子ども (2011年04月21日)

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東北関東大震災の発生から1カ月以上が経過しました。回数は少なくなったもののまだ余震が続き、被災地の皆さまを含め全国民が不安な日々を送っているように思います。

 

今回のような大災害が子どもの心に与える影響について考えてみたいと思います。1998年の阪神大震災の際に、震災後1年で行われた調査1)では自宅の被害が大きかった子どもの心理面の影響が大きいという結果になりました。同時に行われた保護者への調査でも同じ傾向がみられ、家族の心理状態が子どもに反映している可能性も考えられました。

 

阪神大震災以後、PTSDPost Traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害 )も一般的になり、今回の震災での報道でもよく耳にします。自然災害、事故、いじめ、虐待などの強い恐怖体験が心や身体に変調をきたすことで、子どもの場合、幼い子供ほど症状は少なく、女の子よりも男の子のほうが症状が重いことも報告されています。具体的には"眠れない""赤ちゃん返りのように甘える(退行)""攻撃的になる""おねしょをする"などがあります。

 

被災地で過ごす子どもたちに支援が必要なことは分かりやすいことですが、非被災地に暮らす子どもたちにとってはどうでしょうか。震災後、数日間はテレビ・ラジオなどの報道が震災関係のみとなりました。余震の情報も欲しいし、ライフラインの復旧状況も知りたい、テレビはつけっ放しというご家庭も多かったと思います。子どもたちも津波に街がのまれていく様子をテレビで見たり、亡くなったり行方が分からなくなっている方の人数が爆発的に増えていくことを目の当たりにしたりしました。大人が落ち着かなくなったあの数日間に子どもたちも同じように影響を受け、静かに耐えていました。

 "地震・津波 こわいな、またあるのかな、僕のおうちも壊れちゃうのかな"

 "人がたくさん死んじゃったみたい"

 "パパもママも、先生も、みんななんだかいつもと違うな・・・"

 

大人にとっても、被災地にいる子どもにとっても、非被災地の子どもにとっても、大変なことが起きたことに変わりはありません。子どもは"防衛のスタイル"ができあがっていないので、環境の影響を受けやすいという特徴もあります。子どもの変化に気づき、近くにいる大人が安心・安全の基地になることを心がけていきましょう2)

 

l  スキンシップをすること

l  話に耳を傾けること

l  普段の生活を心がけること

 

 

1)   49回小児保健協会 会頭講演

 「大規模災害から子どもを守る」 中村 肇 より

2)   成育医療研究センターこころの診療部 子どもの心の診療拠点病院事業

http://kokoro.ncchd.go.jp/saigai_gokazoku.html

 

(文責:堀川美和子)

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